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メキシコの大晦日って何する?日本と違う年越し習慣



メキシコで迎える大晦日(Año Nuevoの前夜)は、同じ「年越し」でも日本のそれとは温度が少し違います。日本の大晦日が、静けさの中で一年をたたみ、家の中を整えて新年を迎える時間だとしたら、メキシコはもう少し“にぎやかな願掛け”の時間。家族が集まり、笑い声が増え、0時を境に街の音量が一段上がる——そんな夜です。


とはいえ、初めてだと「みんな何をしてるの?」「この混雑は何?」「0時に外が騒がしいのは普通?」と戸惑うことも。今日は、駐在員の目線で知っていると安心する年越し習慣を、やさしくまとめます。知識があるだけで、夜の見え方が変わり、気持ちの置き場が少しラクになります。




メキシコの年越しは「家族」が主役


メキシコの大晦日は、恋人や友人同士のイベントというより、まず家族が集まる日です。親戚も含めて食卓を囲む家庭も多く、料理が並び、音楽が流れ、子どもが走り回る。カウントダウンの瞬間は、テレビをつけて一緒に数えたり、グラスを持って抱き合って挨拶したり。ここには「派手な演出」よりも、「集まっていること」そのものの強さがあります。


駐在生活は、外側の情報や刺激が多くて、気づくと呼吸が浅くなりがちです。でも、年末の家族時間には、生活のリズムを“戻してくれる力”があります。参加しなくても、そういう空気が街に流れていると知るだけで、心の角が少し取れるはずです。



定番の年越し習慣①:ぶどう12粒(12 uvas)


0時の鐘(カウントダウン)に合わせて、ぶどうを12粒食べる習慣はかなり有名です。1粒ごとに1か月、つまり12か月分の願いを込めるイメージ。時間に合わせて食べるので、うまくいくとちょっと達成感があり、家族で笑い合える“年越しの儀式”になります。


ポイントは、真面目にやり切ることよりも、場のノリを楽しむこと。12粒を一気に食べるのは地味に難しいので、うまくいかなくても大丈夫です。「あ、今年もこれやるんだね」という空気感が、すでに年末らしさそのもの。



定番の年越し習慣②:下着の色(赤=愛、黄色=金運…)


メキシコの年越しでよく語られるのが、下着の色で願いを選ぶジンクスです。代表的には、赤は愛や情熱、黄色は金運…という感じ。大晦日前後に下着コーナーが賑わうのは、この文化が生活に根付いているから。


ここで面白いのは、ジンクス自体よりも「願いを言語化する」行為です。色はきっかけにすぎなくて、実際は“来年は何を大事にしたい?”を家族や友人と笑って話す時間が価値。駐在生活でも、こういう軽い願掛けが、気持ちの方向を整える小さなスイッチになります。



定番の年越し習慣③:空のスーツケースで近所を一周(旅行運)


そしてマルちゃんが挙げてくれた、あのやつです。空の旅行トランク(スーツケース)を持って家の周りを一周する——これをやると「来年はたくさん旅ができる」と言われています。


初めて見たときは、ちょっと笑ってしまうかもしれません。0時過ぎに、ガラガラとスーツケースを引く人が現れる光景は、非日常そのもの。でも不思議と、嫌な感じがしない。そこにあるのは、未来への軽い期待と、遊び心です。


駐在生活って、予定が読みづらいですよね。仕事も家庭も、環境も変わりやすい。そんな中で「来年は旅を増やそう」と自分に許可を出す行為は、案外まっすぐで、健全です。もし実際に外へ出るのが気になるなら、玄関先まで、家の中を一周、でも十分“気分”は作れます。




そのほかの“あるある”:レンズ豆、花火、カウントダウンの抱擁


家庭や地域で違いはありますが、年越しの夜は、レンズ豆(Lentejas)を食べると金運、家を整える、玄関や部屋の雰囲気を変える…など、縁起担ぎがいくつも登場します。そして0時には、ハグをして「Feliz Año Nuevo!」と挨拶。ここに照れが少ないのがメキシコらしさです。


花火や爆竹の音が大きくなる地域もあります。驚くよりも、「今日はそういう夜なんだ」と知っておくことが、いちばんの安心材料。ペットがいる家庭は、音対策(窓を閉める・安心できる場所を作る)を早めに考えておくと良いです。




日本の大晦日との違い:静けさで締めるか、にぎやかに越えるか


日本の年末は、片づけや掃除、年越しそば、紅白、除夜の鐘…と、どこか“静かな締め”があります。家の中の空気を整えて、新年を迎える感覚。一方メキシコは、締めるというより“勢いよくまたぐ”感覚に近い。願いを口にし、体を動かし、笑って抱き合って年が変わる。

どちらが良い、ではありません。ただ、違いを知っていると「自分はどっちの年越しが心地いいか」を選べるようになります。駐在生活の良さは、価値観の幅が広がること。年越しは、その国の“人間関係の基本形”が見える日でもあります。




駐在員向け:無理しない年越しの過ごし方(小さな実用2つ)


1つ目は、買い出しは早め。大晦日は店が早く閉まったり、混みやすかったりします。氷・炭酸・肉・おつまみ類は直前に品薄になることもあるので、前日までに“最低限のセット”を作っておくと安心です。


2つ目は、移動を増やしすぎない。0時前後は道路状況が読みづらいことがあります。外出するなら、近場で完結する設計にするだけで、夜のストレスが減ります。年越しは頑張る日ではなく、呼吸を取り戻す日でもあります。




年越しは「この国の優先順位」を知るチャンス


メキシコの大晦日は、ぶどう12粒や下着の色、スーツケース一周など、遊び心のある習慣がたくさんあります。でも、その奥にあるのはシンプルで、家族と一緒に年を越すという価値観。違いを知るだけで、街の音や人の動きが“意味のある風景”に変わります。


明日の夜、もし外がにぎやかでも、「今日はそういう夜なんだ」と思えたら十分。自分のペースで、気持ちよく一年を終えてください。来年も、暮らしが少しラクになる記事を一緒に積み上げていきましょう。



今年もMaruwaのマルワほぼ日ブログを読んでくださり、本当にありがとうございました。メキシコでの暮らしは、楽しいこともあれば、慣れるまで少し疲れることもありますよね。そんな日々の中で、この記事が「知っていると少し落ち着く」時間になっていたら嬉しいです。


どうぞご家族と、穏やかな年越しをお迎えください。Feliz Año Nuevo(フェリス・アニョ・ヌエボ)!


新年も、住まい・移動・日々の生活のことまで、無理なく整えていけるよう伴走します。「これって普通?」「誰に聞けばいい?」の段階からで大丈夫です。気軽にご相談ください!

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