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12月12日、メキシコの街が特別になる理由― Día de Guadalupe を知る ―
12月12日の朝、メキシコの街はいつもと少し違う表情を見せます。まだ暗いうちから聞こえてくる歌声。花火の音。花を抱えて歩く人たち。教会の前に集まる家族連れや、早朝にもかかわらず混み始める道路。 祝日ではないはずなのに、なぜか街全体が静かに、そして確かに“特別な日”として動いている。メキシコにしばらく暮らしていると、多くの駐在員がこの違和感に出会います。 それが Día de la Virgen de Guadalupe(グアダルーペの聖母の日) 。12月12日は、メキシコという国の価値観や心の拠り所が、街の風景として可視化される一日です。 いつもと違う朝が、なぜ生まれるのか この日、メキシコでは早朝から人の動きが活発になります。民族衣装に身を包んだ子ども、マリア像の描かれた旗、白い花束。教会の周囲には自然と人が集まり、歌や祈りが静かに重なっていきます。 不思議なのは、その雰囲気が決して騒がしくないことです。お祭りのようでいて、どこか厳か。誰かに強制されているわけでもなく、それぞれが「今日はこの日だ」と理解して行動している。 宗教的な行事でありなが

Taro Maruwa
3 日前読了時間: 4分


メキシコの“時間の流れ”はなぜゆったり?日本人が文化の違いから学べること
メキシコに来て間もない頃、多くの日本人がまず最初に戸惑うのが、「時間の流れ」です。約束の時間に少し遅れても誰も焦らない。レストランで料理が出てくるまでの間が長くても、周囲はのんびり会話を続けている。役所や病院では、待ち時間が読めずに気づけば数時間が過ぎていることもしばしば。 日本の“分単位で動く文化”に慣れた私たちにとって、こうしたテンポの違いは驚きでもあり、ストレスでもあります。しかし、ここにはただの「ルーズさ」ではなく、メキシコという国が長い時間をかけて育ててきた価値観が深く関係しています。その背景を知ると、日々のズレに振り回されるのではなく、むしろ気持ちが軽くなることもあります。 メキシコの時間感覚をつくる“文化の土台” メキシコの時間の流れがゆったりと見えるのは、単なる習慣ではありません。気候、宗教、歴史、人間関係の価値観など、多くの要素が折り重なって生まれたものです。 まず、この国の大きな特徴として 「人との関係が時間よりも優先される」という価値観 があります。友人や家族との会話が盛り上がっていれば、次の予定に少し遅れてしまっても大きな

Taro Maruwa
12月4日読了時間: 5分






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