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米国の強硬発言とメキシコ:駐在員の備え方



ニュースが生活に入り込む瞬間があります。それは、事件や事故が起きた時だけじゃなく、“言葉”が空気を変える時です。


最近、米国側の強い発言を受けて、在メキシコの日本の公館(在レオン総領事館など)から注意喚起が出ました。内容は、米国大統領がインタビューで「カルテル対策において地上での行動も開始する」といった趣旨の発言をした、という報道を踏まえたものです。現時点で具体的な脅威情報はないものの、情勢が急変する可能性も否定できないため、最新情報の入手と推移への注意を呼びかけています。


こういう注意喚起を読むと、多くの人が同じところで揺れます。「何か起きるのかな」「起きないのかな」そして、その“答えの出ない揺れ”が一番消耗する。


だから今日は、結論を先に言ってしまいます。怖がりすぎなくて大丈夫。でも、備えをゼロにもしない。この中間を取れると、駐在生活はぐっとラクになります。




何が話題になっているのか:事実と“連想”を分ける


今回の話題が広がった背景には、「米国がベネズエラで強硬な作戦を行った」と報じられた流れがあり、そこから「次はメキシコにも…?」という連想が生まれやすくなっている面があります。実際、米国がベネズエラでマドゥーロ氏を拘束する動きがあったと報じられています。


ただ、メキシコについて現時点で確実に言えるのは、「米国大統領がカルテル対策で強い言葉を使っている」「それを受けて公館が注意喚起を出した」というところまでです。 そして、メキシコ側は主権の観点から、米国の軍事介入は不要だという立場を明確にしている、と報じられています。


ここが大切で、ニュースの怖さは「事実」よりも「連想」のほうが強いことが多いんです。だから、頭の中でいったん線を引きます。


  • 事実:強硬発言が出た/公館が注意喚起を出した(ただし具体的脅威情報はない)

  • 連想:「明日すぐ何かが起きるかもしれない」という不安(これは個々の心に発生する)


連想が膨らむのは自然です。駐在生活は、未知の割合が多いから。でも、連想のまま動くと消耗する。だから、事実に戻れる“柱”を先に持ちます。




駐在員の生活で「現実に起きやすい変化」は、もっと手前にある


もし空気がざわつくとしたら、私たちの生活に最初に出るのは、軍事ニュースのような大きな話ではなく、もっと手前のところです。たとえば、デモ・集会・交通の乱れ。これは政治の話題がある時ほど現実的に起こりやすい変化です。


外務省の領事メールでも、デモ行進がある地域に近づかないこと、事件事故に巻き込まれないよう注意することが繰り返し呼びかけられています。 そして米国大使館も、デモは予測不能で全国的に起こり得るため、周辺を避けるよう注意を出しています。


つまり、駐在員がまず“備えの矛先”を向けるべきは、生活の足元です。ニュースを見て不安になるのは自然だけれど、やるべきことは意外と地味です。




「備え」は増やすより、迷いを減らすほうが効く


防災も治安も、備えを増やすほど安心できる…とは限りません。むしろ駐在生活では、備えを増やしすぎると、情報と選択肢が増えて疲れます。


だからおすすめは、“増やす備え”ではなく“減らす備え”。


たとえば、こんなふうに整理します(ここだけ最低限の箇条書きで置きます)。


  • 情報源を固定する:外務省の領事メール(たびレジ)/公館発信を軸にする

  • 近づかない基準を決める:デモ・集会・騒がしい群衆は避ける

  • 移動を夜寄りにしない:遅い時間の外出を減らし、必要なら確実な手配に寄せる(ここが一番効く)


これだけで「判断の回数」が減ります。判断の回数が減ると、疲れが減る。疲れが減ると、必要なときに冷静に動けます。




駐在生活の“安心”は、ニュースを小さくする


同じ注意喚起を読んでも、落ち着いていられる人と、不安でいっぱいになる人がいます。その差は性格ではなく、生活の土台であることが多い。


住まいが落ち着いている。家族の動線が分かっている。移動手段が“迷わず選べる状態”になっている。


こういう土台があると、ニュースは「恐怖」ではなく「情報」に戻ります。逆に土台が不安定だと、ニュースが生活のすべてに染み出してきてしまう。


だから、この記事のゴールは「怖い話をする」ことではありません。揺れても戻れる場所を作ること。そのための視点を共有することです。




今日の一歩は「落ち着いて見直す」だけでいい


在レオン総領事館の注意喚起が言っていることは、突き詰めるととても現実的です。「具体的脅威情報はない。ただ、急に情勢が変わる可能性はゼロではない。だから最新情報を取って、推移を見てください。」


これを受け取る側も、同じ温度でいるのがちょうどいい。パニックにならず、無関心にもならず。ニュースがざわつくときほど、生活は静かに整える。


もし「移動の設計が不安」「家族の通学・通勤ルートをもっと安全側に寄せたい」など、暮らしの具体に落とす相談が必要なら、Maruwaとしても一緒に整理できます。ニュースの話を、生活の“行動”に変えるところまで伴走します!

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