あなたが無意識でとっている行動がメキシコ人には意味不明だったり、不快だったりすることがあるのを知っていましたか?
今回は、メキシコに駐在、生活をされる皆様が社内やビジネスシーン、メキシコ人社会でやってしまいがちな実はNG行動5選をご紹介します。
①人の肩や背中をつついて呼ぶ
いきなりこれか!ですね。「いやいや、そんなことしないよ!」と思いますか?
いえいえ、そんなことはないですよ。結構多くの日本人が無意識にやっている場面を見かけています。 実際私はメキシコ人、特に女性からはよく聞かされています。「日本人の男性上司にちょっとちょっと、と呼ぶ感じで肩をトントンと叩かれたり、背中をツンツンとされた。正直気持ち悪かった」と、、、。
みなさんこれをまず覚えてください。「メキシコでは基本的に声で伝える」。 日本では、前にいる人がハンカチなどを落とした時には拾ってあげて、その人に声をかける代わりに背中や肩をトントン、とする人が結構いますよね。日本ではそこそこOKな行動ですが、メキシコでは
気味が悪い
セクハラっぽい
「○○さん」って声をかけてくれればいいのに。なんだかイラッとする。
と取られるNG行動です。
メキシコは友人や家族同士の非常に距離も近く、日本よりもハグやボディタッチも多いので、肩を叩くくらいいいじゃないか!と思ってしまいますね。ただ、これはなぜかメキシコ人には非常に嫌がられます。まるで自分が言葉もわからない動物のような扱われ方をしたように感じてしまうようなのです。
みなさんも今日から会社や外に出かけた時にはよく観察してみてください。特に男性で見知らぬ女性や社内の人の肩を叩いて呼んでいる人はまずません。
声をかけられて気づくことに慣れているメキシコ人にとっては、突然知らない人や上司から肩をたたかれたりすると非常に驚く行動ですし、時には気味悪がられる事もあります。下手をするとセクハラだ、と思われることもあるので十分注意しましょう。
男性同士で「よくやった!」と言って肩を叩き合ったりするのはまた別です。男女でも関係性や場面によっては大丈夫な時もあります。 そのニュアンスの違いは意識さえすればそのうちきっとお分かりになるかと思います。
お店であっても店員さんを呼ぶ時には「Señorita(女性に対して)」「Joven(男性に対して)」「Disculpe」のどれかを使ってください。いくら気づいてくれなくても肩や背中を叩くことは基本NGです。
②熱い飲み物や食べ物をズルズルとすする
はい、絶対にNGな行為ナンバー1です。
メキシコでは「音を立ててもの食べたり飲んだりしない」と言う教育が子供の頃から徹底して行なわれています。音を立てて食べる=動物が食べている=マナー違反=教養のないリスペクトに値しない人、とみなされます。 日本人は音を立てて食べると言う事実はだんだんとメキシコでも認知されてきてはいますが、正直メキシコ人は一緒にご飯を食べる気が失せるくらい気持ち悪い、と思っていることは知っておいた方が良いです。
そこそこ高級なレストランでパスタなどを日本人がズルズルと蕎麦を食べるようにすすっているのをたまに見かけますが、メキシコ人は吐き気にも近い不快感を味わっていることに注意しましょう。
お客さんや政府の要人などと会食する機会のある方は特に意識して注意をしないと、信頼関係や商談にも影響し兼ねません。
音を食べずに熱いものや麺類を食べるのは非常に難しいですが、ご自宅で練習をしてみてください。音を立てたい方は一時帰国の時に思いっきり日本で音を立てましょう!
また、日本食レストランでラーメンなどの麺類を食べる時には、日本人同士であっても周りにメキシコ人がたくさんいたり、メキシコ人の部下などを連れて行く時の気配りを忘れずに。部下だから上司に対して音を立てるな、とは言えません。でも心の中ではきっと不快な思いをしています。
ご自身のポリシーとしてラーメンは音を立てて食べるものだ!と言う方は「日本ではこうやって食べるのが美味しいんだよ」と文化的な違いを説明するなどして、雰囲気を作ってから相手の気分を壊さないような気遣いを。小さなことですが、社内でローカルスタッフのリスペクトを得たいのであれば、メキシコの文化をリスペクトすることを忘れないようにしましょう。
③車のドアを思いっきり閉める
これは私の知る限りほぼ100%の日本人の方に当てはまります。 メキシコの車のドアはゴムが薄いせいか、日本にいる時の力加減でドアを閉めるとものすごい音がします。あの勢いで締められると、メキシコ人の方からすると「この人怒っているのかな?」とか「日本人ってモノを丁寧に扱うと聞いていたのにこの人は割と粗雑な人なのかな?」と思われたりしています。残念ながらメキシコ人はそのことをみなさんに言ってくれたりはしません。
まずは観察力です。今度みなさんが車に乗る際はメキシコの人がどのような力加減で車のドアを閉めているかよーく観察してください。「これくらいの音ならOK」というラインがあるはずです。
そしてご自身が友人やスタッフの方に送ってもらった時は降りる時に真似をするようにしてみてください。異文化へのリスペクトは真似から始まります。おそらく最初は半ドアになったり、まだまだ強すぎたりしますが、練習すれば「メキシコ人っぽく」閉められるようになります。
④手のひらでくしゃみを抑える
これもメキシコ人が心の中で思っている日本人に対する大クレームのランキング上位です。 絶対に注意してください。
日本人の方はくしゃみをするときに何も押えなかったり、手のひらで口をふさいだりします。これはメキシコ人にとって、「超」がつくほどの不快感を与える行為だと言うことはご存知でしたでしょうか?
社内や街でメキシコ人がくしゃみをしているところを注意して観察してみてください。ほとんどの方が腕を曲げて自分の手首あたりを口などに当てて、周りに飛沫が飛ばないように、また手のひらを汚さないように気をつけています。
これも「あの清潔なイメージの日本人がなぜあんなことを、、、!」と眉をひそめて影で言われていることの上位ランクです。「あなたとは握手をしたくない」と思われないためにもくしゃみをする時には絶対に手のひらで抑えない、ハンカチや腕で口を覆う、を徹底してください。「腕で抑えるのも同じじゃないか」と思いますよね。わかりますわかります。でもそれが異文化なのです。「なぜ?」を問うのは一旦やめて、真似をしてリスペクトをするところからはじめてみてください。
コロナ禍がおさまってきたとはいえ、手のひらへのくしゃみは人によっては不快を通り過ごして嫌悪感まで与えていることもあることを意識してください。
そしてくしゃみをした後にかけられる 「Salud!(お大事に)」の声に対しては 「Gracias!」とお礼を返すことも忘れずに。それが見知らぬ人であってもです。 また、もしも二人の人から言われたら、2回、Gracias, Graciasと言うのが礼儀です。1回だと一方の人から「私もSaludって言ったのにな」と少し寂しがられます。
「そんな面倒な!」と思いますか?でも1ペソもかけず、ただ声をかけたり少し気をつけるだけで、社内のコミュニケーションが良くなる、離職率が減るのであればお安いものではないですか?
⑤会議の時に無表情
これもメキシコ人の間で噂される日本人怪談。とても怖い話として有名です。日本人が参加する会議に参加した後、メキシコ人に良く言われるのは、「あの日本人は怒っているのか、喜んでいるのか、楽しいのかすらわからない。むしろ怖い。次のアプローチも読めない。」です。
日本人同士だと「お、脈アリだな」と思える、行間から読み取れる微妙な表情やニュアンスもメキシコ人にとってはわかりにクック、「無表情で書類やスクリーンを見つめるただ、ただ怖い人」にしか見えていないことを知っておいてください。
わからないのであればわからない、興味深いのであればそのようなことが伝わる仕草や表情を出すように表現しないと、メキシコ人には全く伝わらず、不安や恐怖を深めるだけです。
社内会議でも部下のメキシコ人スタッフが報告をしてくれる時には繰り返し「今、自分は無表情になっていないかな?」と意識して聞くようにしてみてください。
スペイン語なんて話せなくても後でなんとかなります。それよりも表情や仕草です。小手先のスペイン語はあと。
まずは表情と仕草です。むしろそちらの方が何百倍も大切で効果があります。 聞いているよ、と言う姿勢を表情や仕草で見せるだけで信頼度が全く違ってくることは保証します。
まとめー毎日鏡で練習しよう
今回は日本人がやってしまいがちがメキシコではNGな行動の一部を紹介させていただきました。 多くのことはメキシコ人を良く観察してみると「あー本当だな」と思うことばかりです。 まずは観察、観察です。 メキシコでははっきりと声に出して伝える、これがとても重要であることを意識して、スペイン語が話せなても日本語や英語で少し声を張って伝えてみたり(怒鳴るのではないですよ)、表情で表現したりしてみると、メキシコ人との距離はずっと近くなり、それだけで信頼を得ることができます。繰り返しになりますが、メキシコ文化をリスペクトすることは、スペイン語を話せるようになるよりもずっとずっと、何倍も重要です。小手先のスペイン語を磨くよりも、観察力と表情で多くのコミュニケーションが潤滑になります。
今日からみなさんも鏡を持って毎日表情の練習をしてみてください!
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