メキシコ現地で生活する私たちにとって、自動車による移動は日常的な手段ですし、代替案が無いパターンが多くなります。その際の安全対策は決しておろそかにできないことはご存知かと思います。今回は、メキシコでの安全運転において、複数人での移動は強盗などのリスクを減らすかどうかについて考察します。
①車の運転と安全性
メキシコは自動車の利用が非常に一般的です。そのため、運転する際は、自己防衛の観点から、周囲に気を配り、事故や犯罪に遭うリスクを最小限に抑える工夫が求められます。まずは車間距離を十分にとること、突然の状況に対応できるよう常に準備を整えること、道路の状態に注意を払うことなどが挙げられます。道路には穴、速度制限用のTOPE(トペ)の中でも色の塗られていないものもあり、夜は非常に危険です。
②複数での運転がリスクを下げるか
この件に関する具体的なデータは見つかりませんでしたが、複数人での運転はいくつかの理由から安全対策として有効だと思われます。
まず、強盗などの犯罪への被害が懸念される場合、車内に複数人がいることで犯罪者が攻撃を避ける可能性が高まります。また、長時間の運転では交代制をとることで疲労を分散し、事故のリスクを減少させる効果も期待できます。遠出をする際は独りでの移動は極力避け、複数人での移動をするような対策をとってください。
③安全な運転のためのアドバイス
メキシコで安全に運転するためには、以下のアドバイスを心掛けましょう。
常に車のドアをロックし、周囲の車や人々に注意を払いましょう。
高価な物品は見えない場所に保管し、強盗に狙われるリスクを下げましょう。
ガソリンは常に満タンで出発し、到着地までの給油や買い物などで滞在することは避けましょう。
パンクや故障で停車中に強盗に遭うケースも多発しています。車両の点検は日本以上にこまめに行いましょう。
複数人での運転を検討する際は、それぞれの役割を明確にしましょう。
④検問に出くわしても落ち着いて
別の州への移動の際には高速道路を利用する機会があります。特に料金所付近では、連邦警察による検問が行われることがあります。これは治安維持のための一環で、移動の目的や職業などを尋ねられることが一般的です。
訪問者はこのような検問に備え、スペイン語で基本的な自己紹介や移動理由を説明できるようにしておくと良いでしょう。事前に練習しておくことで、実際の検問時にも落ち着いて対応することが可能です。
また、検問では身分証明書の提示を求められることもあります。パスポートや運転免許証など、公的な身分証明書を常に携帯しておくことも忘れないでください。
⑤メキシコにおける2023年の車両強盗について
メキシコでは2023年に車両強盗が増えており、特にトラックとバイクの盗難が2019年以来の最高レベルに達しています。AMIS(メキシコ保険機関協会)の最新の報告によると、車両強盗は前年比2.3%増加し、61,222台の保険付き車両が盗まれました。これは日に168台の盗難に相当します。ただし、上記データ内の強盗車両の多くは商業用のトラックとバイクです。車を選ばれる際は、現地の方やデータをよく確認し、なるべく標的にならないような車種を選ぶようにしてください。
⑥車両強盗に遭ったら
万が一不幸にして強盗に遭ってしまった場合は、絶対に抵抗したりせず、できるだけ落ち着いて相手の指示にしたがってください。相手の顔を見たり、急な動きをすると相手から攻撃をされる可能性があるため危険です。犯人が立ち去ってから警察や会社、家族などに連絡を取るようにしてください。強盗にあった際は携帯電話も盗られてしまう場合があります、そのような場合に備えて通話機能付きのポータブルGPSなどを携帯していただくこともおすすめです。
⑦まとめ
メキシコでの運転では、常に細心の注意を払い、より安全な環境を作るための対策が不可欠です。特に、複数人での移動は様々なリスクを減らす可能性があるため、可能であればその方法を検討する価値があります。安全は何よりも優先されるべきであり、出張者も現地駐在員もこの点に留意することが重要です。
メキシコでの運転経験者の皆さんからのコメントやアドバイスもお待ちしております。安全運転に関する情報交換は、私たち全員にとって有益なものです。次回のブログでも引き続き安全に関する重要な話題を取り上げていきますので、ご期待ください。
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